キャッシュレス化が進む現代、店舗を持たずに販売活動を行うキッチンカーやイベント出店、出張サービス業などにとって、「持ち運びやすい決済端末」はビジネス成功の鍵を握る重要なツールです。
しかし、数多くの端末が登場する中で、「どれを選べば良いのか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか?
本記事では、コンパクトで使いやすく、信頼性の高い人気のポータブル決済端末を厳選して5つご紹介。
それぞれの特徴を徹底比較しながら、導入前に押さえておきたいポイントや利用シーンに応じた選び方まで、初心者にも分かりやすく解説します。
迷ったときのイチオシは「Square(スクエア)」。
洗練されたデザインと直感的な操作性、そして初期費用ゼロで導入できる手軽さは、小規模事業者や個人事業主にとって非常に魅力的です。
アプリと連携するだけで、スマホやタブレットがそのまま本格的な決済端末に早変わり。ビジネスのスタートダッシュにもぴったりの一台です。
持ち運びに便利な決済端末の選び方
屋外での販売や出張サービスなど、モバイル決済端末を利用するシーンは年々拡大しています。
適切な端末を選ぶためには、機能や性能を総合的に比較することが重要です。
ここでは、特に重視すべき5つのポイントについて解説します。
コンパクトさと軽量性
持ち運びを前提とした決済端末選びで最も基本となるのが、サイズと重さです。
小型・軽量な端末は、バッグやポケットに簡単に収まり、移動や設置がスムーズ。
片手で操作できるデザインであれば、接客中のスピーディな対応も可能です。
本体だけでなく、付属品(カードリーダー、ケーブル、スタンドなど)も含めて携帯性を確認しましょう。
特に、イベント出店や屋外販売など頻繁に場所を移動する業種では、携帯のしやすさが業務効率に直結します。
対応する決済方法の種類
キャッシュレス決済の多様化が進む中、多くの決済手段に対応しているかどうかも重要な判断基準です。
クレジットカード(VISA、Mastercard、JCBなど)
電子マネー(Suica、PASMO、iD、QUICPayなど)
QRコード決済(PayPay、楽天ペイ、LINE Payなど)
タッチ決済(NFC対応)
利用者のニーズに応えるためには、できるだけ多くの決済手段に対応した端末を選ぶと、販売機会を逃しにくくなります。
通信方式と接続の安定性
決済トラブルを防ぐために、通信の安定性は極めて重要です。
通信方法には「Wi-Fi接続」「Bluetooth接続」「SIMカードによるモバイル通信」などがあります。
Bluetoothタイプはスマホやタブレットとペアで利用され、設定の簡便さが特徴ですが、接続切れのリスクがあるため、信頼性が求められます。
独立型(モバイル回線内蔵)の端末は、単体でどこでも使用できるため、移動が多い業種に特におすすめです。
通信不良による決済エラーを避けるため、安定した接続環境が維持できるかをチェックしましょう。
バッテリー持続時間と充電方法
外出先での利用が前提となるため、バッテリー性能も重要な評価軸です。
長時間使用可能な端末であれば、1日の営業中に充電切れを心配する必要がありません。
USB-CやmicroUSBで充電できる機種は、汎用性が高く外出先での充電も容易です。
一部の端末はモバイルバッテリーにも対応しており、予備電源として活用可能。
特に電源の確保が難しいイベント会場や屋外では、バッテリーの持ちが長い端末が安心です。
導入コストとランニングコスト
導入時に気になるのが、端末本体の価格や月額費用、決済手数料などのコスト面です。
多くの決済サービスは端末を数千円〜数万円で販売、または無料レンタルしていることもあります。
月額料金が無料のサービスもあり、初期投資を抑えてスタートできる点が魅力。
決済手数料は3%前後が一般的ですが、取扱高や業種に応じて異なる料金設定をしている場合もあるため、しっかり確認を。
費用対効果を考え、長期的な視点でコストをシミュレーションすることが大切です。
端末比較表|機能・価格・対応ブランドをチェック
端末名 | 初期費用(税込) | 月額費用 | 決済手数料(クレカ) | 対応決済ブランド | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
Square リーダー | 4,980円 | 無料 | 2.5% | クレカ:VISA、Mastercard、JCB、Amex、Diners Club、Discover電子マネー:交通系IC、iD、QUICPay、Apple PayQR:PayPay、楽天ペイ、d払い、au PAY、メルペイ、Alipay+、WeChat Pay | スマホやタブレットと連携して使用。コンパクトで持ち運びに便利。 |
Square ターミナル | 39,980円 | 無料 | 2.5% | 上記と同様 | レシートプリンター内蔵のオールインワン端末。単体で使用可能。 |
Airペイ | 20,167円 | 無料 | 3.24% | クレカ:VISA、Mastercard、JCB、Amex、Diners Club、Discover電子マネー:交通系IC、iD、QUICPay、Apple PayQR:PayPay、楽天ペイ、d払い、au PAY、メルペイ、Alipay+、WeChat Pay | iPhoneやiPadと連携して使用。キャンペーンにより初期費用無料の場合あり。 |
STORES 決済 | 19,800円 | 無料 | 1.98% | クレカ:VISA、Mastercard、JCB、Amex、Diners Club、Discover電子マネー:交通系IC、iD、QUICPay、Apple PayQR:PayPay、楽天ペイ、d払い、au PAY、メルペイ、Alipay+、WeChat Pay | スマホやタブレットと連携して使用。条件により端末代金が無料になる場合あり。 |
スマレジ・PAYGATE POS | 39,600円 | 3,300円 | 1.98% | クレカ:VISA、Mastercard、JCB、Amex、Diners Club、Discover電子マネー:交通系IC、iD、QUICPay、Apple PayQR:PayPay、楽天ペイ、d払い、au PAY、メルペイ、Alipay+、WeChat Pay | レシートプリンター内蔵のオールインワン端末。POSレジ機能と連携可能。 |
楽天ペイ ターミナル | 19,800円 | 無料 | 2.20% | クレカ:VISA、Mastercard、JCB、Amex、Diners Club、Discover電子マネー:交通系IC、iD、QUICPay、Apple PayQR:PayPay、楽天ペイ、d払い、au PAY、メルペイ、Alipay+、WeChat Pay | 一体型マルチ決済端末。キャンペーンにより端末代金が無料になる場合あり。 |
※手数料はプラン、ブランド等により異なります。
ポータブル決済端末おすすめ5選
以下に、持ち運びに便利なおすすめのポータブル決済端末7選を詳しく解説します。
各端末の特徴や対応決済ブランド、導入コストなどを比較し、ビジネスに最適な選択をサポートします。
Square ターミナル
レシートプリンター内蔵のオールインワン端末。
Wi-Fi接続でスマートフォンやタブレット不要。
直感的なタッチ操作が可能なディスプレイ。
対応決済ブランド:
クレジットカード:VISA、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discover。
電子マネー:交通系IC、iD、QUICPay、Apple Pay。
QRコード決済:PayPay、楽天ペイ、d払い、au PAY、メルペイ、Alipay+、WeChat Pay。
導入コスト:
端末価格:46,980円(税込)
月額費用:無料
決済手数料:2.5%〜
おすすめポイント:
持ち運びやすく、レシートプリンターを内蔵しているため、屋外での販売やイベント出店に最適です。
Airペイ
iPhoneまたはiPadと連携して使用。
専用アプリで簡単に操作可能。
多彩な決済ブランドに対応。
対応決済ブランド:
クレジットカード:VISA、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discover、UnionPay(銀聯)。
電子マネー:交通系IC、iD、QUICPay、Apple Pay。
QRコード決済:PayPay、楽天ペイ、d払い、au PAY、メルペイ、Alipay+、WeChat Pay。
導入コスト:
端末価格:無料(キャンペーン適用時)
月額費用:無料
決済手数料:クレジットカード・電子マネー 3.24%、交通系IC 2.95%、QRコード決済 2.95%〜
おすすめポイント:
初期費用が無料で、多くの決済ブランドに対応しているため、導入しやすく、幅広い顧客層に対応可能です。
スマレジ・PAYGATE
Android搭載のオールインワン端末。
レシートプリンター内蔵。
スマレジPOSとの連携が可能。
対応決済ブランド:
クレジットカード:VISA、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discover、UnionPay(銀聯)。
電子マネー:交通系IC、iD、QUICPay、楽天Edy、WAON、nanaco。
QRコード決済:PayPay、楽天ペイ、d払い、au PAY、メルペイ、Alipay+、WeChat Pay。
導入コスト:
端末価格:39,600円(税込)
月額費用:3,300円(税込)
決済手数料:1.98%〜(プランにより異なる)
おすすめポイント:
POSレジとの連携が可能で、店舗運営の効率化を図りたい事業者に適しています。
STORES 決済端末
スマートフォンやタブレットとBluetoothで接続。
シンプルなデザインで持ち運びに便利。
最短3営業日で利用開始可能。
対応決済ブランド:
クレジットカード:VISA、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discover。
電子マネー:交通系IC、iD、QUICPay、Apple Pay。
QRコード決済:WeChat Payなど。
導入コスト:
端末価格:19,800円(税込)
月額費用:無料
決済手数料:1.98%〜
おすすめポイント:
低コストで導入でき、シンプルな操作性が魅力。小規模店舗や個人事業主に最適です。
楽天ペイ ターミナル
決済機能、プリンター、通信機能を搭載したオールインワン端末。
楽天ポイントとの連携が可能。
シンプルでモダンなデザイン。
対応決済ブランド:
クレジットカード:VISA、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discover。
電子マネー:交通系IC、iD、QUICPay、楽天Edy、WAON、nanaco、Apple Pay。
QRコード決済:PayPay、楽天ペイ、d払い、au PAY、メルペイ、Alipay+、WeChat Pay。
導入コスト:
端末価格:0円(キャンペーン適用時)
月額費用:無料
決済手数料:2.20%〜
おすすめポイント:
楽天経済圏との親和性が高く、楽天ポイントを活用した集客が可能。初期費用が抑えられる点も魅力です。
利用シーン別おすすめ端末
業種や利用スタイルによって、最適な決済端末は異なります。
ここでは、代表的な3つのビジネスシーンを想定し、それぞれに合った端末を解説します。
移動販売・イベント出店
● おすすめ端末:Square ターミナル、楽天ペイ ターミナル
● 理由と特徴:
Wi-FiやSIM対応端末を選べば、屋外でも安定した通信が可能。
レシートプリンター内蔵のオールインワン型なら、別機器を用意せずその場でレシート発行ができて便利。
コンパクトで軽量な設計により、狭いスペースでも使いやすい。
● 選び方のポイント:
電源の確保が難しい場所でも使える長時間バッテリー搭載型。
通信環境が不安定な場所でも動作するオフライン対応またはSIM通信対応の端末。
レジやPOSを使わずとも、単体で会計からレシート発行まで完結できる端末。
● おすすめ理由:
Squareターミナルや楽天ペイターミナルは、上記の要件をすべて満たし、すぐにどこでも使える柔軟性が特徴です。
美容・サロン業界
● 理由と特徴:
顧客対応中に片手で使えるスマートな設計。
サロンで使われることの多いiPadやiPhoneとの連携がしやすい。
多彩な決済ブランド対応で、リピーターや若年層のニーズにも対応。
● 選び方のポイント:
見た目も重視する業種なので、デザイン性の高い端末が望ましい。
予約管理や顧客管理システムと連携できるアプリ連携の柔軟性。
導入コストを抑えつつ、多機能を使いたいなら初期費用無料キャンペーンを活用。
● おすすめ理由:
Airペイは、美容業界でも導入実績が多く、アプリの操作性が高評価。STORES決済も直感的な操作と管理画面の使いやすさで、小規模サロンに最適な選択です。
小規模店舗や個人事業主向け
● おすすめ端末:Square リーダー、STORES 決済端末
● 理由と特徴:
初期費用が安く、導入ハードルが低い。
必要最小限の機能に絞られており、コストパフォーマンスが高い。
アプリで売上管理やレポート出力が可能で、経営管理にも役立つ。
● 選び方のポイント:
月額費用がかからないランニングコストゼロのサービス。
手持ちのスマホ・タブレットと連携して使える柔軟性。
売上規模に応じた決済手数料の最適化。
● おすすめ理由:
Squareリーダーは本体価格が安く、操作も簡単で初めての導入にぴったり。STORESは必要な機能を抑えながらも、成長に合わせて機能拡張が可能な点が魅力です。
導入の流れと注意点
ポータブル決済端末は手軽に導入できる反面、スムーズに利用を開始するためには事前の準備が重要です。
ここでは、導入の一般的なステップと、使用時に注意すべきポイントを詳しく解説します。
導入ステップ
決済端末の導入は、以下のようなシンプルな流れで進めることができます。
1. サービスの選定と申し込み
まず、自分のビジネススタイルに合った決済サービスを選びます。
公式サイトなどから申込フォームに必要事項を入力し、申し込みを行います。
事業者情報や本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)の提出が必要になるケースが一般的です。
2. 審査・承認
各決済サービス会社によって、事業形態や業種に基づく審査が行われます。
審査期間は数日〜1週間程度が一般的です。
3. 端末の受け取りと初期設定
審査通過後、決済端末が発送されます。
届いたら、スマホアプリのダウンロード、Bluetooth接続やWi-Fi設定、アカウント情報の入力など初期設定を行います。
4. テスト決済
本格的な運用を始める前に、テスト決済で動作確認をしておきましょう。
商品登録やレシート印刷機能の確認も忘れずに。
5. 運用開始
問題がなければ、実際の営業現場での利用をスタート。
決済履歴の管理や売上データの確認もアプリやウェブから簡単に行えます。
利用時の注意点と対策
運用を始めた後も、トラブルを避けるためのポイントを押さえておくことが重要です。
1. 通信環境の確認
屋外や電波の不安定な場所では、通信エラーが発生しやすくなるため、事前に接続状況をチェックしましょう。
モバイルWi-Fiや予備回線の用意も有効です。
2. バッテリー切れ対策
長時間使用が想定される場合は、モバイルバッテリーを携帯するなどの対策を。
使用後は必ずフル充電しておくことを習慣化しましょう。
3. 決済エラー時の対応マニュアルを用意
端末の不具合やネットワークの問題などで決済ができない場合に備え、**代替手段(現金・後払い対応など)**を準備。
スタッフが即座に対応できるよう、簡単なマニュアルを作成しておくと安心です。
4. セキュリティ対策
顧客の決済情報を取り扱うため、パスワードや端末のロック設定は必須です。
公共のWi-Fiを使用する場合は暗号化の確認やVPNの利用も検討しましょう。
5. 法令・規約の確認
特にQRコード決済や個人情報の取り扱いに関しては、各サービスの利用規約や法令を確認して遵守することが求められます。