エコキュートは、地域の気候や環境条件に応じて「耐寒仕様」や「耐塩害仕様」などの特別なモデルが用意されています。
これらのモデルは、寒冷地や塩害地域でも安定して使用できるように設計されています。
本記事では、それぞれの仕様の特徴と選び方のポイントを詳しく解説します。
耐寒仕様エコキュートの特長
◆ 特徴
寒冷地向けエコキュートは、極寒でもお湯を安定供給できるよう特別設計されています。
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低温対応ヒートポンプ
多くの寒冷地対応モデルは、-25℃までの外気温でも正常稼働が可能。
→ 北海道や長野、東北地方に最適。 -
凍結防止機能が強化
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循環配管のヒーター内蔵
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自動排水機能
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自己診断機能つき
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高断熱タンク採用
厳寒でも湯温低下を最小限に抑える。 -
雪や風への備え
屋外機の設置場所に配慮し、風雪除けカバーなどのアクセサリーがオプションで選べます。
2. 耐塩害仕様エコキュートの特長
◆ 特徴
海沿いの地域では、潮風による金属腐食が問題となるため、耐塩害仕様が重要です。
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防錆仕様の外装
本体や配管に耐腐食性金属(ステンレスや塗装鋼板)を使用。 -
電装部のコーティング処理
塩分から基板を守るシリコンコーティングや封入処理。 -
ファン・基礎の設計も塩害対応
空気取り込み口のフィルターや、内部構造の防錆対策も強化。 -
潮風対策の設置ガイドライン
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海岸から1km以内なら「耐塩害仕様」
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300m以内なら「耐重塩害仕様」が推奨されます。
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エコキュート選びのチェックポイント
① 設置場所の環境を確認する
環境条件 | 推奨モデル |
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冬に-10℃以下になる地域 | 耐寒仕様 |
海から1km以内 | 耐塩害仕様 |
海から300m以内 | 耐重塩害仕様 |
② 家族構成と使用量からタンク容量を選定
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2〜3人:300〜370L
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4〜5人:370〜460L
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6人以上:460〜550L
③ 設置スペースと形状
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狭小地には「スリムタイプ」
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設置スペースが広ければ「標準型」で容量重視
④ ランニングコストと機能性
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「高圧給湯」「ウルトラ高効率モデル」「昼間沸き上げ対応」などもチェックポイント。
主要メーカー別の対応状況(2025年時点)
メーカー | 対寒冷地 | 対塩害 | 対重塩害 | 備考 |
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パナソニック | ◎ | ◎ | × | 北海道仕様モデルあり |
ダイキン | ◎ | ◎ | ◎ | 寒冷地+塩害のダブル対応可能 |
三菱電機 | ◎ | ◎ | △ | 対重塩害モデルは限定的 |
コロナ | ◎ | ◎ | ◎ | 雪国向けモデルが人気 |
日立 | ◎ | ◎ | △ | 海岸300m以内には不向き |
よくあるトラブルとその対策
❏ 凍結による給湯不能
対策:
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電源ON状態を維持(自動凍結防止作動のため)
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設置場所に断熱材を設置
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雪かきで機器周辺の空間を確保
❏ 塩害による腐食・故障
対策:
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半年に1回は高圧洗浄で塩分除去
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潮風が当たらない場所に設置
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防風柵や囲いの設置を検討
まとめ
寒冷地や塩害地域に住む家庭では、通常のエコキュートではなく、耐寒仕様・耐塩害仕様モデルを選ぶことが長期的な安心につながります。選定時には、地域環境・使用人数・設置条件などを総合的に判断し、機能性やメンテナンス体制も考慮することが重要です。信頼できるメーカーの製品を選び、施工業者にも設置環境をきちんと伝えましょう。