エコキュートを使用しているご家庭で、「入浴剤を使っても大丈夫?」と疑問に思う方は多いでしょう。
実際、エコキュートでも入浴剤を使用することは可能ですが、機種やメーカーによって使用できる入浴剤の種類や注意点が異なります。
誤った使用は故障の原因となるため、正しい知識を持って安全に使用することが重要です。
エコキュートとは?入浴剤使用の前提知識
エコキュートは、空気の熱を利用してお湯を沸かすヒートポンプ式の給湯器です。高効率・省エネ性能が魅力で、特にオール電化住宅で広く採用されています。
主な種類
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給湯専用タイプ:追い焚き機能がなく、入浴剤の使用に制限が少ない。
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セミオートタイプ:自動湯張りは可能だが追い焚きは不可。
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フルオートタイプ:追い焚きや自動配管洗浄機能があるが、循環式のため入浴剤に制限あり。
エコキュートで入浴剤が制限される理由
エコキュートのフルオートタイプは、浴槽のお湯を配管を通して循環させることで温度を調整しています。ここに問題が生じるのが入浴剤です。
主なリスク
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成分の沈殿・蓄積:ミルク成分や炭酸カルシウムなどが配管にこびりつき、目詰まりやセンサー故障を招く。
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金属腐食:塩分・硫黄成分が金属部品に作用し、腐食や漏水の原因になる。
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泡や油分による故障:発泡剤やオイル成分がポンプやセンサーに影響を及ぼす。
フルオートタイプ・セミオートタイプ別の使い分け
タイプ | 入浴剤使用の可否 | 主な注意点 |
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給湯専用 | ○ | 追い焚きなし。配管への影響が少ないため比較的自由。 |
セミオート | △ | 自動湯張り時の残留入浴剤がセンサー誤作動の可能性あり。 |
フルオート | △(種類限定) | 循環配管に影響を及ぼす成分はNG。使用後は洗浄が必須。 |
おすすめの入浴剤とNG成分
使用可能な入浴剤の特徴:
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透明なタイプ(無色透明または軽い着色)
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粉末タイプで完全に溶解するもの
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塩素・硫黄・重金属を含まない
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泡立ちの少ない処方
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メーカーが推奨しているブランド(例:バブ、きき湯)
避けるべき成分例:
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硫黄:金属腐食の原因
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塩分(海塩など):金属腐食を促進
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にごり湯成分(乳白成分):配管に沈着しやすい
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植物・固形物(ゆず・ハーブなど):配管詰まりの原因
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発泡剤:ポンプに空気が入り動作不良に
各メーカーの推奨・非推奨入浴剤一覧
メーカー | 使用可能入浴剤(にごりなし) | 使用不可入浴剤 | 特記事項 |
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パナソニック | バブ、きき湯、バスロマン | にごり系、ハーブ系 | 自動配管洗浄を「入」に設定 |
ダイキン | 同上 | 発泡タイプ、オイル系 | 配管洗浄モード使用を推奨 |
三菱電機 | バスクリン、きき湯 | 硫黄系、ハーブ湯 | 2018年以降の機種に限定 |
日立 | バブ、バスクリン | にごり湯、発泡系 | 入浴剤残りがないよう丁寧に洗浄を推奨 |
コロナ | バスロマン、きき湯 | 植物・薬草系 | 使用後の排水と洗浄が前提 |
入浴剤使用時の正しいメンテナンス方法
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入浴後すぐに浴槽を洗浄
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シャワーで浴槽内を洗い流し、残留物を防ぐ。
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自動配管洗浄を必ずON
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フルオートタイプは入浴剤使用後に配管内を洗浄しないと詰まりや腐食の原因に。
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月1回は配管クリーナーで洗浄
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エコキュート対応の配管クリーナーで循環回路をクリーニング。
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半年〜1年ごとに専門業者の点検を受ける
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内部の点検と貯湯タンクの水抜きを含めたメンテナンスを実施。
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よくある誤解とトラブル事例
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「天然成分なら安全」:天然でも植物の固形物や塩分は配管に大きな影響を与える。
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「にごり湯でも量を少なめにすればOK」:微量でも長期的に蓄積し、機器の寿命を縮める。
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「毎日洗えば問題ない」:洗浄だけでは落ちない成分もあるため、成分自体を避けるべき。
まとめ:安全かつ快適な使用のポイント
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エコキュートでは、必ず「使用可能なタイプ」の入浴剤を選びましょう。
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フルオートタイプは配管トラブルが起きやすいため、にごり湯・発泡タイプは避けるのが無難です。
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取扱説明書に記載された注意点を厳守し、定期的な洗浄と点検を欠かさないようにしましょう。
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「エコキュート対応」や「追い焚きOK」と明記された入浴剤を選ぶのが安心です。